ドラッグストアとゆかいな仲間たち

ドラッグストアのある生活は、きっと楽しい

ドラッグストア店員がマスク行列に並んでみた。

自分はドラッグストアで働いてます。

毎日マスクのことを聞かれ、気を病んでしまいそうな日々。

仕事でクタクタになったある日

『朝からマスク待機列に並んでみたらお客さんの気持ちが分かるのではないだろうか』

と思い、レンタルさんに依頼。一緒に列に並んでみました。

 

当日は朝7時集合。

ちゃんとした購入目的があった方がお客さんの気持ちになりきれると思い

『90歳になる祖母のためにマスクを買うこと』を目標に掲げ、出発。

駅から数分歩き、目的地に到着。

店にはまだ列はありませんでしたが

並び始めてしまうとどんどん人が集まってしまうため

自然に列が出来るまで駅周辺のお店を見学。

7時半過ぎになると5~6人並んでいたので

並び始めます。(9時オープンの店)

 

ここで驚いたのは

前に並んでいた人たちでマスクの情報交換をしていたことです。

『木曜は〇〇店に〇個があって、あっちの店には…』

とここ数日の入荷状況を熟知していて

マスクコミュニティを形成してました。

 『こっち並んでからあっちの店に並ぶと効率がいい』など

独自の攻略法があるようでマスク争奪戦は想像以上。

それぞれマスク情報を持ち寄り

得意げに話していました。

 

コミュニティでのマスク話は

まるでゲームの『攻略』のような側面がある一方

マスクが欲しい人のために…という『善意』が見え

見ていてとても複雑な気持ちになりました。

 

8時過ぎになるとお店のシャッターが開き

店員からその場でマスク入荷なしを伝えられます。

(店頭準備のため入店不可)

並んでいた人は蜘蛛の子を散らすようにいなくなり

すぐ別の店へ並び始めるため、近隣店の列は一気に伸びます。

自分も別の店に並び直します。(10時オープンの店)

後ろを確認すると列がどんどん伸びていくのを

リアルタイムで感じられます。

 

8時からはひたすら開店まで待機。

待っている間はとにかく寒かったです。

季節外れの寒波のせいもありとにかく寒い。

手はかじかみ、体も震えてきます。

待っているお客さんも大変なんだと

一瞬でも思いました。(本当に一瞬)

 

入荷があるかどうかわからない中

勝手に並んで待っているので

買えなくても自己責任ですが

寒さの中、長時間待って買えなかったことを考えると

残念に思ってしまうお客さんの気持ちもわかるような気がしました。

(残念に思った気持ちを店員にぶつけるのはナンセンスです。

店員にクレームつけるのはやめましょう。)

 

9時頃、店員からマスク入荷の案内がありました。

店員がマスク在庫を持ってきて

店員からお客さん一人ひとりに直接マスクが渡されます。

横入りや複数買いを防止するためだと思われます。

 

マスクを受け取り会計まで待機。

このタイミングで『入荷未定のマスク待機列』は『会計確定のマスク待機列』になり

店頭に完売POPを掲示

マスク希望のお客さんが並ぶのを防ぎます。

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開店まであと1時間。

店員は開店作業のため

店頭準備を行います。

 

ここから大変なのは

店員はマスク待機列を誘導しながら

店頭を出さないといけないことです。

 

店頭什器はとても重く、コントロールが難しいです。

お客さんに当ててしまっては大変なのでとても神経を使います。

 

 

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今日の店員さんは上記の什器をひとりで出してました。

(写真はまだ半分も出せてない店頭写真)

マスク待機列を安全な場所へ誘導し
重い什器を動かし準備をする。
時には什器を動かしてる時にいきなり
『マスクありますか?』と聞かれることもあるでしょう。

什器にブレーキをかけ

マスク問い合わせに答え

事故のないように神経遣って店頭準備をし

またマスク待機列を誘導

開店前でも店の電話が鳴れば受け答えしないといけない企業もあると思います。

開店時間までに開店準備を終わらせる。

これが本当に大変なのです。

 

ドラッグストア店員からのお願いしたいのは

『開店前のむやみな問い合わせはこらえてほしい』

『安全に開店できるよう、店員の誘導には従ってほしい』ということ

問題なく円滑に営業するためには店員とお客さんの協力が必要です。

よろしくお願いいたします。

 

…そして

定刻になり会計へ。

レジが開放されますが

おひとり様一個の買い物とはいえ

多くのお客さんがいるため

会計が終わるまで

かなり時間がかかりました。

(朝一から全てのレジを開放していました)

 

今回は普通サイズを購入。

こうして無事マスク行列体験を終えることが出来ました。

 

今回並んでみてわかったこと

・何時間も並ぶのはやはり大変

・マスクの入荷情報を持つ情報屋やコミュニティがあり

口コミで入荷状況が拡散されていること。

・お客さん同士は獲物を狙いあう『敵』ではなく

同じ目的を持った『仲間』の側面があること。

・店員はレジ準備、マスク列誘導、店頭準備、納品準備、問い合わせなど

複数の業務を同時進行していて大変だということ。

(自分の店よりもやることが多く見えて大変そうだった。)

 

 

今回初めてマスク列に並んでみました。

並んでる間は仕事中の苦悩が蘇って悲鳴を上げたり

マスクコミュニティの存在を知って絶望したりと

悲しい気持ちになることが多々ありました。

思っていたより精神的ダメージが大きく

きっと一人ではマスク列に並べなかったと思います。

 

しかし、悲しい気持ち以上に収穫がありました。

仕事中では絶対知りえない光景を目の当たりにし

マスク列の実態を探ること出来ました。

実際どのくらい待つとマスクが買えるのか

身をもって経験できたのはマスク購入以上の成果でした。

 

店員さんのマスク列さばきは大変勉強になりましたし

店員さんの頑張りをみて、自分も頑張ろうと思えるようになりました。

 

マスク行列レポート、いかがでしょうか。

店員さんもお客さんも

まだまだ大変な時期が続きますが

お互いを思いやり、一緒に頑張っていけたらいいなと

心から思います。

 

拙い文章ですが読んでくれてありがとうございました。

明日からまた頑張ってきます。